ナポリタンの作り方

角田光代さんのエッセイ、『月夜の散歩』を読みました。

雑誌の連載をまとめたものです。 

私は角田光代さんの小説もさることながら、エッセイが大好きです。彼女に共感することが多くて、「あぁ、あるある!わかるよ!!」と、ひとり勝手に身近な人のように感じています。 

今回、私が特に共感したのが、お料理のお話です。 

お料理好きの角田さんではありますが、そんな彼女にも、何度作ってもイマイチなものがあるそうです。この作品の中にそのお料理がいくつか挙げられているのですが、確かに納得するものばかり。

その中でも特に私が気になったのは、ナポリタンのお話。角田さん、ご自分で作るナポリタンには、いつもがっかりされるそうです。 

味付けをケチャップだけにしないで、隠し味にいろいろ入れてみるとか試行錯誤はするものの、うまくいった試しがないとか。

うん、うん、そう、そう!私も納得。どうしてお店のようにおいしくできないのだろう、と、いつも不思議に思っていました。自分の作るナポリタンと、お店で食べるナポリタン、一体、何が違うのだろう?と。 

お料理好きの角田さんでさえそうなのに、特にお料理好きではない私がうまくできないのは、これはもう、いたしかたないのでは?と、諦めつつ読み進めました。 

ある日、角田さんがお知り合いのお宅にいらした際、その方の奥様が、お昼にナポリタンを作ってくれたそうです。その奥様はお料理上手な方だったので、驚くほどおいしいナポリタンが出てきたとのこと。 

感動した角田さんは、奥様に作り方をたずねたそうです。すると、「味付けは、ケチャップだけ」という、衝撃の返答が!! 

なんと!驚きのあまり、読んでいた私は思わず、「えっ!?」と声を出してしまったほどです。自宅でひとりで読んでいてよかった… 

白ワインをたらしたり、コンソメを混ぜてみたり、トマトピューレやソースやしょうゆや挙句の果ては味噌まで、いろんなものを投入していた私って!! 

どうやら、それが間違いのもとだったもよう。そして、私と同じようなことをしていた角田さんも、多いに驚いたそうです。 

そこで角田さんが気づいたこと。それは、足りなかったのは勇気だった、ということでした。 ケチャップだけをたくさん入れる勇気がなかったことが敗因だったのでは、と。 

「こんなにたくさんケチャップを入れてしまっていいのだろうか?」という不安。確かに、私もそうでした。ケチャップだけで、おいしくなるはずがない。きっと何かほかにおいしさの秘密があるに違いない、と、信じていました。 

ケチャップだけ、という勇気。しかも、思い切ってたくさん入れる、という勇気。ケチャップに限らず、お料理には勇気が必要なのでは?という角田さん。こんなにお砂糖を!?とか、おしょうゆ淹れすぎでは!?とか、いつもの自分のやり方ではないとき、例えば本を見ながら作ったりすると、確かにそういう勇気が必要な時ってありませんか?いや、さすがにこれは多すぎるだろう、と躊躇すると、なんとも中途半端な味付けになったことが、私は、一度や二度ではありません。 

そうか、それは確かに、そうかもしれない。私も勇気を出そう!立ち上がれ、勇者よ!!そんなわけで、本日の昼食にさっそくナポリタンを作ってみた私。 

材料はいつも通り、玉ねぎにウィンナー。私は胸焼けしてしまうので、ピーマンは入れませんが、その他お好みの具材をどうぞ。お湯が沸くまでの間に材料を切る。お湯が湧いたらスパゲティを投入して、フライパンで具を炒める。 

火が通ったら塩こしょうして、ケチャップを投入。いつも目分量でしたが、今日は計量スプーンを使ってみました。たぶん、これまでの私なら大さじ1~2。全体がうっすら色づく程度でした。 

でも今日は、思い切って、大さじ4!倍の量にしてチャレンジです。すると、フライパンの中は不安になるほど真っ赤に。ケチャップがふつふつして、少し水分が飛んだ頃、茹であがったスパゲティを投入して、炒めます。 

そして、真っ赤なナポリタンができあがりました。確かに色合いは、お店のにそっくり。これまでの私のナポリタンは、もっと奥ゆかしい赤、というよりも、なんだか焼きそばのようでした。

恐る恐る食べてみたら、おいしい!確かに、これまで自分で作った中で、一番おいしいナポリタンになったのでした。塩分もコクもケチャップが出してくれました。ひとりで何役もこなしてくれるとは。もっとケチャップを信じるべきだった。恐るべし、ケチャップ!

まさかこんな結果になるとは思わなかったので、写真を撮らなかったのですが、記念に撮影しておけばよかった。 

今日が私のナポリタン記念日。

これからは、さらに勇気を出して、自分にとってのケチャップの適量を探りたいと思います。

 

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